今日は筆跡のサカイらしく、筆跡診断の記事を書きます。
1月19日の夕刊に『鬼気迫る「独演」その裏に「若泉文書」をたどる』というタイトルの記事が掲載されていました。
パッと目に入ったのは、若泉敬が総理大臣佐藤栄作の次男・信二にあてた手紙文である。
若泉敬は沖縄返還の交渉で佐藤栄作首相の密使として活動した人物である。
若泉敬は福井県出身の国際政治学者。
福井師範学校、東大法学部卒業、その後米国ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題児研究所に留学し、帰国後京都産業大学教授に就任された。
その一方で、学者に留まらず米国政府とのパイプを生かし、佐藤栄作首相の密使として、沖縄返還交渉に尽力。
1969年11月の佐藤・ニクソン共同声明で3年後の返還が決定した。
大学退職後の1994年に「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」を出版。返還交渉で、有事の際に沖縄への核の持ち込みを認める密約があったことを明かした。
このような人物像が記事の中及びネットの記事に記されていましたので引用しました。
さて新聞掲載の若泉敬直筆の手紙文の筆跡を見てみましょう。
(画像をご覧ください。)
★筆跡特徴はA〜Fの6個あります。その中でも非常に大きな特徴が4個あります。
Aの横線左方長突出
Bので等間隔
Dのはね強
Eの転折丸
です。
A(横線左方長突出)という特徴
は横線の左側が長く伸ばした
書き方です。
筆者は才気煥発な人だと思います。内に秘めた才能が自然に出た書き方と考えられます。
頭の回転が早く、行動的で情熱家のようです。
B(等間隔)という特徴は線と線
の間隔が等しい書き方です。
筆者は論理性が高く、計画性を重んじる人で、決して感情的にならない冷静さを持たれています。精神的に能力的にも安定された人です。
D(はね強)という特徴は『旬』
とか『巳』の字に現れている
強いはねです。
筆者のこの2つの字のはねは強い上に、長いという特徴を兼ね備えています。
粘り強く、最後まで頑張り続けられる人で、心身ともタフな人です。はねが非常に長いのは苦労性の人とも言えるでしょう。
E(転折丸)という特徴は、字の
コーナー部が丸まっている書
き方です。
筆者はいかにも明るい人柄と想像されます。想像力やアイデア力もあり型破りな行動も真骨頂かと思います。
その他の特徴としてC『ヘンとツクリの間が広い)の特徴とF(接筆開)は人脈豊富で交渉能力も豊かで信頼される存在の人であることが伺えます。
以上のように若泉敬の筆跡特徴からおおよその人物像を推測してみました。
若泉敬の筆跡で『横線左方長突出』は歴史上の人物では「聖徳太子」や知将、知恵者と言われた「真田幸村」「大久保利通」などが挙げられます。
私もこの横線左方長突出の字を練習するのですが、若泉敬のように全ての横線がほとんど左方長突出には気が引けて書けません。
等間隔の字は長い間練習した結果しっかり書けるようになったと思います。
久しぶりに歴史上の人物の筆跡に触れることが出来ました。
時々色んな人の筆跡をこれから紹介しようと思います。
これからもどうぞよろしくお願いしま🤲
筆跡診断士 坂井日出夫
(筆跡のサカイ)